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オーストラリア

オーストラリア01

オーストラリアでは、数百万年間に渡り風食が発生しており、最近200年間は、かつての植生の消滅と活発な耕作活動及び放牧により、一部地域での風食が一層増加しました。最近の深刻な風食は、オーストラリア南部の耕作地域で観測されており、A(オーストラリア中部)、B(クィーンズランド中部)、C(マリー地域)、D(ナラボー東部及び西部)、E (オーストラリア西海岸)が該当します。砂嵐の発生地域は、半乾燥地域や乾燥地域(年間降水量400mm未満)となっており、オーストラリア内陸中央部や西海岸地域で最も多く見られます。オーストラリアを横断する粒子状物質の移動は、2つの経路(南東方向、北西方向)から成り、内陸で発生した粒子状物質は、その時間帯に優勢となる気象状態に応じて海に吹き去ります

オーストラリアの風食は、エルニーニョ現象と関連する干ばつ期間に活発となります。エルニーニョの間、オーストラリア東部地域では雨が不足し、植生が減少する事で土壌の浸食が進みます。1994年及び1996年初めには、高い粒子状物質濃度が頻繁に観測され、この際に見られた砂嵐の増加はこれらの乾燥現象によるものです。

オーストラリア南部の風食は、夏季(南半球)に大きくなり、砂嵐は1、2、3月に多く観測されるが、これは、南西から北東に進む夏季の前線が時として突発的な北西気流を誘発し、砂嵐の発生に適した状態を作り出す事が原因です。

オーストラリアの砂嵐を生みだす典型的な天候は、前線前面に強い北西風を伴う低気圧が、南側の海洋からオーストラリアに接近し、その後ろに南から南東に偏向する冷たい風が入り、前線通過後の数日間継続するものです。地表付近の風速は20m/sと強く、これにより幅広い地域で風食が発生します。オーストラリア北部地域では、主に春から初夏にかけて風食が発生しますが、発生頻度は9、10、11月が最も高くなっています。この地域は、夏季の降水による影響を受けるため、9~11月に砂嵐が最も多く見られ、乾燥した時期が終わる頃になると、夏季の降水に伴い減少します。オーストラリアの粒子状物質総発生量はまだはっきりしていませんが、年間の放出推定値は数百万トンにものぼるとされています。
(Shao、2000)